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ここでは,周辺機器を通して通信し,コンピュータの顔ともいうべき, 「端末」について触れ, 端末 をオペレーティングシステムでどう管理するかを説明する.

現在の,「サーバー」と言われるコンピュータや,一昔前のコンピュータには, ディスプレイ(表示装置)が,標準では備わっていないものが多かった. 「サーバー」マシンは,主に,ネットワーク経由でコンピュータにアクセス するため,表示装置は必要ないためであり,昔の(マルチユーザ) コンピュータは,一度に,複数のユーザがアクセスするために,別途, ディスプレイ(表示装置)を複数用意する必要があったためである. 理由は,異なるが主に,以下のような形式である.

コンピュータを中心に考えると,ユーザは,末端(terminal) に位置し,その末端 で作業を行う.そのため,ユーザが作業する場所を端末(ターミナル,terminal) といった.端末は,通常,コンピュータとは,シリアル回線(次節で説明)で, 接続され,通信速度は,比較的遅いが,通信距離は長く設定できた. ユーザは,端末へコマンドを入力し,コンピュータへ命令を送り,コンピュータに 処理をさせるため,現在のコンピュータへ,コマンド形式で命令を送るソフトウエア を,ターミナルエミュレータ(terminal emulator) という. 現在のコンピュータは,マルチウインドウシステム上で作業することが多く, ターミナルエミュレータは,一つのウインドウとして実現されている.例えば, Linux では,以下のように kterm が,ターミナルエミュレータである.

コマンド stty が,ターミナルを制御するコマンドである. 端末では,ウインドウなどの表示はできず,文字のみの表示であるため,表示の 仕方にいろいろ工夫を凝らして,複雑な表現をすることもできた. 例えば,「stty -echo」とタイプしてみよう.このコマンドにより,文字が表示 されなくなる.さらに(文字は表示されないが),「stty echo」とタイプすることに より,元の表示モードとなる.


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