ワイヤーフレームモデルでは,本来は影になり見えない線まで見えてしまって いる.そこで,そのような線を消す処理が陰線消去である. これまで,ワイヤーフレームを線の集まりとしてきたが,面の集まりと する立体図形としよう.視点に対して,奥の方にある面は, 当然のことながら,手前の方にある面に隠れてみることができない. どの面が見えて,どの面がみえないかを計算するのは,困難であるため, 簡単に,奥の面から順番に描くことを考え,見える見えないという計算を 省略することを考える.この方法では,面は,3 角形か,4 角形とすることがよい.
さらに,見栄えをよくするために光と面の角度により面が変わるようにする. 光線ベクトルと,面の法線ベクトルの角度により,色を変えることを考える. 法線ベクトルは,ベクトルの外積を利用する.
外積の性質により,法線ベクトル C は,ベクトル A,B に直角で, 右ねじの進む道の方向となる.ただし,ベクトル A,B の角度は 180 度以内とする. ベクトル A,B の成分を,
とすると,法線ベクトル C は,
となる.
具体的に説明するために,以下のように平面と,法線ベクトル を考える.
頂点 0, 1, 3 の座標を ,
,
とする.このとき,
ベクトル A,B の成分は,
となり,ベクトル C は,
となる.光線ベクトル の成分を
とすると,2 つのベクトルの角度は,
により,求めることができる.この方法を使って,3 次元で小さな四角形を 回転させてみよう.視点を仮に,(0,0,-100) とする.
法線ベクトルを求めるためにはベクトル A と B の関係が面の上で決まっていなければならない。 そこで,平面のデータを上のように必ず決まった順序で入力することにする。 この様にすることにより、面の表裏が逆になるようなことがなくデータの処理ができる。