真理値表で命題をとらえる

第2章 No.0.5 / AND・OR・NOT・含意・XOR

以下の命題を考えよう。

推論

「太郎は人間である」かつ「人間は空を飛べない」ならば、「太郎は空を飛べない」

このように「 」で囲まれた一つ一つを 命題 という。実は、この文章全体も一つの命題である。論理学では各演算に対して、以下の記号を使う。

演算意味記号
かつ論理積、連言AND, /\, ∩
または論理和、選言OR, \/, ∪
〜でない否定NOT, ~, ¬
〜ならば〜含意⇒, ⊃
同等同等

上のほかに、口語ではあまり使わないが XOR (排他的論理和) もある。「ならば」を表現する は、集合論で用いる「包含関係」とは無関係であることに注意しよう。

正確には、論理学は「太郎」「人間」といった具体的な値を代入して扱うのが目的ではなく、それらを変数 (P, Q や、X, Y など) におきかえてそれらの記号を使った 演算の体系 を追求する学問 (代数学) である。無味乾燥した記号 P, Q により表された命題に対して、実際に「太郎」「人間」という値を代入することを 解釈 という。

「P ⊃ Q」という命題は、「¬P ∪ Q」に等しいことが知られている。具体的にそれらの関係を示すために、真理表を定めてみよう (以下、「真」を T、「偽」を F とする)。

PQ¬PP ∩ QP ∪ QP ⊃ QP XOR QP ⇔ Q
TTFTTTFT
TFFFTFTF
FTTFTTTF
FFTFFTFT

実はこの表は 24 = 16 通り あることがわかる。ここではそのうちの 5 通りを示したに過ぎない。

XOR は2回適用すると元に戻る

XOR (排他的論理和) は 2 度適用すると元に戻る論理演算として知られている。そのため、カーソルの表示の際に用いられる。

PQP XOR Q(P XOR Q) XOR Q
TTFT
TFTT
FTTF
FFFF

これより (P XOR Q) XOR Q = P であることがわかる。

三段論法はトートロジー

もうすこし真理表を眺めてみよう。以下の命題はどうだろうか。

((P ⊃ Q) ∩ (Q ⊃ R)) ⊃ (P ⊃ R)

PQRP⊃QQ⊃R(P⊃Q)∩(Q⊃R)P⊃R結論
TTTTTTTT
TTFTFFFT
TFTFTFTT
TFFFTFFT
FTTTTTTT
FTFTFFTT
FFTTTTTT
FFFTTTTT

これにより、命題 ((P ⊃ Q) ∩ (Q ⊃ R)) ⊃ (P ⊃ R) は変数 P, Q, R が「真」「偽」のどちらであっても必ず「真」になることがわかる。このような命題を 恒真式 または トートロジー という。これは「三段論法」として知られ、ここで説明した論理を 命題論理 という。

課題

Task

以下の式は、トートロジーかどうかを真理表を書いて調べよ。

  • P ∩ P
  • (P ⊃ Q) ⊃ (¬Q ⊃ ¬P)
  • P ⊃ ¬¬P
  • (¬P ⊃ ¬Q) ⊃ ((¬P ⊃ Q) ⊃ P)

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